226
(C)1989 松竹
深夜午前零時。早春の雪が東京の街に降りしきっていた。そして今、22名の陸軍青年将校に率いられた総勢約1,500名の決死部隊が、各連隊の営門を出発していく。時は昭和11年2月26日。歴史の捨て石となることを覚悟し、妻や子に別れを告げ、日本を変えようと決起した青年たち。「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げ、彼らが起こした未曾有のクーデター。これがいわゆる226事件である。男が男らしく、女が女らしくあった時代。青年将校たちの義憤と命を懸けた鮮烈な青春。昭和初期の社会の原動力ともなった若者たちの純粋さが、この事件を引き起こしたといっても過言ではない。彼らの一途な情熱は凄絶だった。決起したその日、帝都東京は朝から激しい雪だったのである…。