“熊本豪雨”から半年後のある日、母の訃報を聞いた今西孝之は、22年ぶりに故郷の町に足を踏み入れ、山が削られ、多くの家屋が流されて、川の地形まですっかり変わり果てた故郷の姿を目にする。孝之は、22年会うことのなかった息子の文則と再会。文則は孝之の以前の職である球磨川下りの船頭になるための修業に励んでいるが、かつて幼い自分を見捨てた父に心を開こうとはしない。航空会社の社内に立ち上げられた地方活性化プロジェクトの一員として熊本に戻ってきた元同級生・中川樹里との関係性を、父の過去と重ねる文則。
孝之のかつての恋人である老舗旅館「人吉三日月荘」の女将の雪子は、半壊した旅館をなんとか再生しようと試みるが、孝之の幼馴染でもある夫の宏一は、目の前で父が土砂に呑み込まれるのを見てから、雪子と口を利けていない。
孝之の隣人・横谷直彦は、妻・さとみのリクエストで、仮設住宅を出ることにするが…。
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囁きの河
@MISTY Film
2025年7月11日(金)公開